『ウォッチメイカー』〜このミス1位ではあるものの
2008年06月06日 (金) | 編集 |

「ふと思ったんです。人生は思いもよらなかった場所に人を連れて行くものだなって」


ウォッチメイカーウォッチメイカー
(2007/10)
ジェフリー・ディーヴァー

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『ボーン・コレクターズ』の探偵リンカーン・ライムシリーズ最新作。
昨年の「このミス海外編」第1位を取ったということでワクワクしながら読みました。
2つの殺人事件現場に置時計を残した残虐な犯人『ウォッチメイカー』を追うライムたち。
今回は尋問の専門家の女性も登場したり、色々転機もあります。
が、肝心の犯人であるウォッチメイカーはなぜだか最初の2件以降失敗してばかり。
ライムが優秀で済ますにはなんだかなあ、と思っていたらば、実は犯人の真の目的は……と、いう展開で、そのうえその真の目的を達成させたと犯人に思わせる、などどこかで見た展開。
というか、前の『魔術師』と同じパターンじゃないの??
なんかガッカリです。
ウォッチメイカーにはもう少し鮮やかな事件を期待してたのですが。
人間ドラマとしては読み応え十分なんですけどね。
ああ、なんだか今こういう科学捜査じゃなく、論理だけで犯人を追い詰める本格推理が無性に読みたいです……。
 『治療島』〜サイコスリラーってこういうもの?
2008年04月03日 (木) | 編集 |

「希望ってのは足に刺さったガラスの破片みたいなもんだ。肉に刺さってる間は、歩くたびに痛む。だが、足に刺さった破片を抜けば、ちょっとの間血は出るし、傷が治るまでにはしばらくかかるが、しまいにはまた歩けるようになる。このプロセスを悲しみとも言う。もういいかげん、あんたもそれに取りかかるべきだと思うんだ」


治療島治療島
(2007/06/21)
セバスチャン・フィツェック

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新聞か何かの書評で見かけて興味を持ったので読んでみました。
しかし読んだ頃には書評の内容は忘れていたので、うっかり真剣に謎を解こうと考えて辻褄の合わなさに混乱し、最後のオチがサイコものってのにガッカリしました。
ああミステリーじゃないんですねこれ……。
道理で異様に話がわかりづらいと思った。
簡単に言うと、主人公の精神科医が娘の失踪を巡るある島での体験を語るというストーリーです。
島で何があったのか、果たして娘はどうなったのか、ラストで謎は解けますが、なんというか他人の悪夢に付き合うのは疲れますね……。
 『戦慄』〜『破壊された人生』と希望の使者
2008年02月23日 (土) | 編集 |

''そう、思い出だよ''と、象は賢そうで悲しげな目でいう。''思い出には、噛みついてくる歯があるんだ''
''そうね。しかも、幸せな思い出ほど長い歯がある''

戦慄 上 (1) (ヴィレッジブックス F マ 9-3)戦慄 上 (1) (ヴィレッジブックス F マ 9-3)
(2007/11)
コーディ・マクファディン

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『傷痕』で活躍したFBI女性捜査官スモーキーの第2弾。
最初の被害者はサラという16歳の少女の里親とその息子でしたが、犯人の「ストレンジャー」はサラが6歳の時から彼女につきまとい、彼女を自分の思うとおりに彫刻しようとしてきたというのでした。
その彫刻の名は『破壊された人生』―――。
果たしてスモーキーは『ストレンジャー』を見つけ出し、サラを救うことが出来るのか?
サラの過去の物語を間に挟みつつ、緊迫した物語にページをめくる手が止まらなくなる傑作です。
たった6歳で両親を奪われ、その後どんな小さな幸せもストレンジャーに摘み取られてきたサラがとても哀れで、それだけにラストシーンは思わず涙しました。
この小さな幸せを、ぜひあなたも味わってください。

戦慄 下 (3) (ヴィレッジブックス F マ 9-4)戦慄 下 (3) (ヴィレッジブックス F マ 9-4)
(2007/11)
コーディ・マクファディン

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 『12番目のカード』〜歴史を紐解くミステリ
2008年02月07日 (木) | 編集 |

 人を五分の三の人間にするのは、政治家でも、ほかの市民でも、故障した体でもない。自分を完全な人間と見てそのように生きるか、不完全な人間と見てそのように生きるか、それを決めるのは、自分自身だ。

12番目のカード12番目のカード
(2006/09)
ジェフリー ディーヴァー

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『ボーン・コレクター』のリンカーン・ライムシリーズ。
今回はハーレムを脱け出すことを夢見る黒人少女ジェニーヴァが物語の中心です。
図書館で彼女が襲われた事件は、最初は単なる強姦目的と思われていましたが、続けて彼女が狙われ、ライムたちは狡猾な犯人と対峙することになります。
しかし彼女が狙われる目的は何なのか。
ジェニーヴァが調べていた彼女の祖先、チャールズ・シングルトン逮捕事件と関係があるのか。
南北戦争、憲法問題などアメリカの歴史にも触れつつ現代ミステリとしても一級品。
やっぱりディーヴァーは最高です。
そしてこの事件がライムにもたらしたものは―――。
『五分の三の人間』の意味については、ぜひ、ご自分で確かめてみてください。
 『魔術師』〜リンカーン・ライムvsイリュージョニスト
2008年01月11日 (金) | 編集 |

「イリュージョンだった」ライムは言った。「あれはイリュージョンだったんだ」

魔術師 (イリュージョニスト)魔術師 (イリュージョニスト)
(2004/10/13)
ジェフリー・ディーヴァー

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四肢麻痺患者であるにもかかわらずその優秀な頭脳で犯人を追う犯罪学者リンカーン・ライムシリーズ。
今回の敵は文字通り魔術師、イリュージョニストです。
音楽学校の女子生徒がマジックのひとつで殺され、しかも犯人は警察官の前で煙のごとく消えうせました。
さらに次々と別のマジックでもって殺人を犯す犯人、『魔術師』の目的は何か。
ライムはやはりマジシャンを目指す女性カーラの協力を得て、様々なマジックで彼を翻弄する魔術師を追跡します。
わりに早い段階で魔術師は逮捕されますがさらに物語は二転三転し、終盤まで読者をあっと言わせます。
これこそマジック!
手品って本当に不思議で何度見てもタネがわからなくてわくわくしますよね。
ディーヴァーにはぜひ今後もそういう小説を書いていって欲しいものです。