ロミオとロミオが手に手をとって敵前逃亡の物語
2006年08月20日 (日) | 編集 |

「将来なんて、誰にあるんだろう。こっちが聞きたいよ。先生、俺たちに将来なんてあるの?」
 シゲルは呟くように尋ねた。
 老人はじっとシゲルを見ている。
「だって、この世界に、未来なんてないでしょう? こんな、後片付けするだけの世界に、いったい何があるっていうの?」


ロミオとロミオは永遠に〈上〉
恩田 陸
4150308551

恩田陸のSF、今回は正直言ってハズレでした。

日本人だけが地球に残され、化学物質や産業廃棄物の処理に従事する近未来。
その世界でエリート中のエリートになるため、「大東京学園」の卒業総代になるため苛酷な入学試験レースをくぐりぬけたアキラとシゲルだが、そこで待っていたのは異常な世界だった……。

というわけで、アキラとシゲルがロミオってことになるの、かな?
作者いわく「書き終わってもタイトルの意味不明」だそうなので何とも言えませんが。
いわゆるサブカルチャーをパロったドタバタ劇で、アメリカ横断ウルトラクイズとかの元ネタを知らない人には全然つまらないんじゃないでしょうか。
でも唯一印象に残ったのが上の台詞。
先日ヒットした『ALWAYS 三丁目の夕陽』のキャッチコピーが「未来が輝いていたあの頃」という作品だったのに対し、これは逆に未来に何の希望も持てなくなった少年の声です。
もしかしたら今の子供達も同じように考えているのかも。
国が抱えた多額の借金、高齢少子化、謝罪外交を繰り返すばかりの政府、国を敬うなと教える教師。
何だかどこを見ても厄介ごとばかりで、親の借金を背負わされたように感じても仕方ないかもしれませんね。
とはいえ、借金のように放り出すわけにもいかない、それが未来ではあるのけれど。

ロミオとロミオは永遠に〈下〉
恩田 陸
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